【マレーシア通信No.14】
~マレーシアの結婚式~
今回は私が出席したマレーシアの結婚式についてご紹介します。
こちらには親戚も無く、適齢期の友人もいないので本来ならば結婚式に出席する機会はないのですが、これまでにマレー系2回、中華系1回の計3回の結婚式に出席しました。
最初はマレー系の友人に誘われました。
ある日、
「友達が結婚するのだけれど、行きませんか。」
という誘いに驚いて、
「行っても良いのですか。」
と尋ねました。
「良いですよ。」
という答えに、不思議に思いながらも興味津々で出かけていきました。
結婚式は新婦の実家で開かれていました。家の外にはテントが張られ、良い匂いが漂っていました。家の中に入ると、新郎新婦が座るきれいに飾られた椅子が置いてありました。そして、多くの人が食事をしたり、話をしたりしていました。
新郎新婦の到着がまだだったので、先に食事をいただきました。自分で好きなものを好きなだけ紙皿に入れるブッフェスタイルでした。甘いジュース、山羊肉のレンダン、牛肉のレンダン、スイーツなどが並んでいました。イスラム教なので、お酒はありません。新郎新婦が到着するとお祝いを渡し、一緒に写真を撮りました。
2回目の結婚式は華人系です。私が住んでいるコンドミニアムのエージェントからの招待でした。ある日、机上にきれいな封筒が置いてあり、中を開けると結婚式の招待状でした。知らない人からだったので、学校の事務員に確かめるとエージェントの娘さんの結婚式ということでした。日本では出席、欠席の返信用のはがきが入っていますが、入っていませんでした。
エージェントとの付き合いもそんなになく、娘さんも知らないので欠席しようかと思いましたが、招待状を出した人の席は用意してあるとのことで、欠席したらそこが空席になるということを聞きました。空席になると申し訳ないので、同僚と出かけることにしました。
会場はリゾートホテルで多くのお客が招かれていました。司会者は新婦の弟、妹で中国語、英語の2カ国語で進行していました。お料理は中華料理で、大きなお皿に盛り付けられて次々に出てきました。来賓や友人の挨拶はありませんし、余興もありません。新郎新婦が各テーブルを回って挨拶をするところは日本と同じでした。華人系なのでお酒は出されていましたが、それを接ぎに回るようなこともありませんでした。おしゃべりをして、食事を食べて、時間が過ぎていきました。
3回目は1回目と同じくマレー系の友人に誘われて行きました。昨年度、本校が全体研修をお願いした学校の校長先生からの招待でした。ご自分の息子さんの結婚式に招待してくださったのです。その校長先生とは2回お会いしましたが、結婚式に招待されるようなお付き合いでもないので驚きました。マレー系の結婚式は招待客が1000人近くになると聞いてはいましたが、私のようなものまで招待されるのだから、その数は当然だと思いました。
今回の会場はホールでした。広い会場にテーブル、椅子がぎっしりと並べられていました。まず、校長先生に入り口で挨拶をしました。その後、友人が、
「さあ、いただきましょう。」
と、食事のところに連れて行ってくれました。山羊肉の料理や麺料理、デザートが並んでいました。ここもブッフェスタイルでした。食事をしていると、校長先生が来られました。後で友人が、
「校長先生が、『ジョホールラクサ、アイスクリーム、山羊肉の焼肉も食べて下さい。』と、言われましたよ。」
と、教えてくれました。友人は山羊の丸焼きが大好物なので、とてもうれしそうでした。食事をいただいていると、新郎新婦の登場となりました。おそろいの衣装に身を包んだ二人が入場し、会場は華やかな雰囲気になりました。しかし、来賓挨拶などはありませんでした。新郎の父である校長先生は会場の入り口で、ずっとお客さんの出迎えや見送りをされていて、それにも驚きました。お客が好きな時間に来たり帰ったりするので、座る間もない様子でした。
私は3回しか出席していないので、全てがこのような形ではないのかもしれませんが、様々な趣向が凝らされた盛りだくさんの日本の結婚式に比べ、こちらのマレー系、中華系の結婚式はとてもシンプルに感じました。幸せな二人を祝福したいという気持ちがあれば、形は関係ないのでしょうね。